『The trouble of love 〜後編〜』
「・・・何があったか話してくれないかな?」 「私より何があったかななんて博が一番良く知っているでしょ? 自分の事なんだから!!」 昌行の部屋に、どうにか帰って来れたけど・・・ 水を飲ませて、しばらくすると怖いくらい酔いが醒めたは辛そうな瞳で俺を見つめてる 「俺の事?・・・まさか」 まさか、あれを見ていた。いやそんな訳ない 「その、まさか?よ・・・ ヒクッ・・・どうして?・・・どうして?ヒクッ・・・私を嫌いになった? 私より、あの人が好きなの?」 やっぱり、沙緒との事見てたんだ・・・ は大粒の涙をポタポタと流しながら、訴えて来た 「、さっきのは誤解だよ? を嫌いになんかなってないし、今でも一番好きなのは君だけだよ?」 「うそ・・・さっき、抱き合っていたでしょ?私、ちゃんと見たもん」 「確かに抱きしめたよ?でも、好きとかなんじゃない!倒れそうになったから支えた だけだって!」 「うそだよ・・・抱き合ってた・・・ヒクッ・・・」 「信じて?俺の彼女はなんだよ?特に感情なんてない」 「・・・好きじゃなくても・・・ヒクッ・・・抱けるんでしょ・・・男の人って?」 「馬鹿な事言うなよっ!!そんなに俺が信用できないか!?!」 信じて欲しいと・・・自分の気持をわかって欲しくて、ついつい声を荒げてしまった 驚いたは、固まったまま涙だけを流していた 「・・・ヒクッ・・・ヒクッ」 「ごめん。驚かせてごめんよ?でも、信じて欲しい・・・俺が誰を好きだなんて 君が一番知っているはずだよ?」 固まってしまったを抱き寄せて髪を優しく撫でる 小さい肩は、かすかに震えている 「信じたいよ・・・信じたいけど・・・不安なの」 「何が不安なの?」 体勢をずらして、の顔を覗き込む 「離れているから・・・もしかしたら・・・って」 「距離が離れているだけだよ?気持は何も変わらない」 「でも・・・ヒック」 は手で顔を覆って・・・泣き続ける 「でも?」 「一緒にいたい・・・博の傍にいたいの・・・ ヒック・・・淋しいの・・・怖いの・・・離れたくなんかない・・・」 きっと、我慢していたんだろう。俺だって・・・一緒にいたいよ?でも・・・ 「俺がこっちに戻ってくるのは簡単じゃないんだよ? 、お願いだから俺を信じて欲しい」 「ううん。博に帰ってきて欲しいなんて思ってない 私・・・ 私が東京に・・・・・・」 「、俺は・・・・?」 急に黙ってしまったの顔を再び覗き込めと・・・寝息をたてていた 俺の腕の中で・・・静かに 「まったく・・・君って人は・・・おやすみ、」 起こさないように、そっと抱き上げて寝室に運ぶ 桜舞う公園でに告白されて1ヶ月 俺達は東京⇔京都の遠距離恋愛を続けていた 最初から遠距離恋愛なるとわかっていたから、俺なりに自分の気持を押し殺してきた 俺だって、傍にいたい でも、俺が京都に帰ってくるのは難しい だからと云って、を東京に呼ぶのは・・・それは、俺の身勝手な我侭だと思っていた でも、の言葉・・・君の想いを知って、目が覚めたよ 「来れる?・・・俺だって、と一緒にいたいよ? だから、。君に東京に来て欲しい・・・君を離したくない」 寝顔にかかる髪をはらっていく いつだって傍にいて、この寝顔を見て・・・・いたい 「くぅ〜・・・・いっ・・痛い」 なんか・・・頭が痛い・・・ 「これって、二日酔い?私、昨夜そんなに飲んだっけ?」 私は、二日酔いらしい頭でおぼろげな記憶をたどってみる 「、まだ5時前だよ?もう少し寝な・・・・」 「えっ・・・?」 声に驚きつつも、横を見ると・・・博さんが寝ていた なんで、私の隣に博さんが? 「・・・もしかして、昨夜の事・・・覚えてないの?」 「いや・・ちょっとだけは?・・・待って・・確か」 街中で博を見て、昌行さんのところでお酒を飲んで・・・ 「この部屋に来た時の記憶は・・・ある?」 「ええ・・っと・・うん、なんとなく?」 確か、ココに来て博さんと話して・・・私・・・言っちゃったの? 「とりあえずは、覚えてるみたいだね? 。俺の我侭、聞いてくれるかな?」 「博の我侭?」 「ああ。東京に来て欲しい・・・まだ、将来の事は約束できたないけど でも、お互いを知る為に・・・距離を置きたくない」 「ごめんなさい。私・・・あの・・博に迷惑をかけるつもりで言ったんじゃ・・」 「ううん。嬉しかったよ?俺も、と同じ事を考えていた きっと、言い出せなかった理由も同じだから・・・ もう、やせ我慢はやめよう」 「・・・いいの?東京に行っても?」 「ああ・・でも、条件が一つ!同棲は出来ない・・・ 俺の部屋は会社が管理している。だから、一緒には暮らせないんだ それに無理して、空けてもらった部屋だから急には引っ越せない」 「ううん・・一緒に暮らせなくてもいい。傍にいられるだけで・・・ 部屋も仕事も自分で探す だから・・・行ってもいい?博さんの傍にいてもいい?」 「いいよ、」 俺の胸の中にうずめられたの存在が嬉しい 沙緒の時とは、全然違う やっぱり、俺にはしか居ないんだよ・・・ そう思うと、抱きしめる手に力が入る 「・・・?」 「なぁに?」 「いいかな?」 耳元でに囁いた 「なにを?」 「君が欲しいんだ・・・」 俺って結構・・・げんきんなのかも の笑顔に安心した瞬間・・・願望が膨れ始めた 「//////もう、朝だよ?」 「今日は休みだろ?・・・時間はたっぷりあるからいいんだよ おいで・・・」 「・・・うん/////」 博さんは、手を広げて私をゆっくりと包み込むように抱きしめる そして、求め合うように交わすkiss徐々に深く・・・ 〜∽〜∽〜∽〜∽〜∽〜∽〜∽〜∽〜∽〜∽〜∽〜〜∽ 「博さん・・・これって確か、昌行さんの店のベンジャミンだよね? 何でココに?」 昼前にやっとベットから開放された私はシャワーを済ませて、リビングに来ると・・・ 見慣れたベンジャミンが!しかも・・何故かジャケットを・・・着てる? 「なんで?って・・・昨夜、が昌行だって言い張って持って帰ってきたんだよ? 昌行が風邪ひくって言って、ご丁寧に服まで着せて」 「えっ?コレが昌行さんで・・・持って帰ってきたって・・・えっ、なに?」 「『博なんかと2人っきりになんかなりたくないから』ってね。 ベンジャミンを指名したのは、だから♪」 「うそ?私が?・・・・//////」 恥ずかしくて、昌行さんに・・・昌行さんの店にいけない きっと赤面している。熱くなったところに博さんの携帯が鳴った 「昌行からだよ・・・『昼飯食べに店に来い!俺の分身も同伴でな?』だって?」 そして、この話はお店の常連さんの中では『とても愉快で楽しい酔い方の手本』として広ま ってしまった その件から逃げる訳ではなかったんだけど、私はしばらくして住み慣れた京都から博さんの 待つ東京に移り住んだ から、あのベンジャミンに名前が付いたと知らされた 昌行さんが今でも楽しそうに『Mr.ベンジャミン』と話しかけているらしい Fin いかがだったでしょうか? この話のネタのほとんどは、とても愉快な友希です(笑) 酔い知らずの私には、この話の彼女のような酔い方の女性がとても可愛いと 思うのですが・・・皆さんは、いかがだったでしょうか? 遊慧 |