T'm crazy to you
『T'm crazy to you』





親友博(悪友とも言うかな?)に恋人が出来て2ヶ月が経った。
恋人の関係になるまで俺がどれだけ苦労したか・・・。
その彼女と言うのは博の会社に派遣で来ていただ。
2人揃って鈍感と来たら俺が助けてやらない訳には行かないんだよな。

まあ最終的にはが東京に行き、博に告白したらしい。
もちろん、俺が背中を押してやったんだけどな。
普通さぁ〜、が逢いに行った時点で自分から言えよな。
ちゃんと自分の気持ちを言わねーと振られるぞ。

でもな・・・目の前にもに輪をかけた鈍感な女がいるんだよな。
俺がこんなに好きだって言うオーラー出してるのに気がつかねーんだもん。
いくら俺でも凹むね。
「坂本さん」から「昌行さん」に変化したって事は脈ありなんだよな?

さっきから昌行さん何をブツブツ言ってるんだろう?
今日は早く来たから私以外いないので気にしてはないけど・・・。
でも・・・ちょっと聞いてみようかな?

「昌行さん?さっきからなにブツブツ言ってるんですか?」

小首を傾けながら聞く
驚いての方を見ると空になったグラスが差し出された。

「悪かったな。博とから最近連絡ねーなーと思ってただけ。
 お嬢さん、何を飲まれますか?」

「そう言えばは向こうで就職したってメールが着てたよ。
 会社の近くに家も借りたんだって。昌行さんには恥かしくって
連絡出来ないって書いてあったんだけど・・・何かあったの?」

「・・・・・(には言ってないのか?)」

「・・え〜っと、ギムレットお願いします♪」

「かしこまりました(笑)」

昌行はギムレットを作りながら、ベンジャミン事件を思い出していた。

本当にあの時は驚いたな。
博が原因らしいがあそこまで壊れた酔っ払いを見たのは初めてだよ。
恥かしくって連絡出来ないだって?そりゃーそうだ。
今思い出しても笑いがこみ上げてくるんだもんな。
のあの姿を見て普通に話している博にも驚いたけどね。

不思議そうに俺を見つめるの前に、そっとギムレットを差し出した。

「お待たせしました」

「ありがとう♪」

はギムレットを一口飲むと「幸せ♪」と言いながらグラスを置いた。
一大決心をした俺はに声をかけた。

、明日休みだろ?」

「うん、そうだけど・・・?」

「一緒にドライブにでも行かないか?」

「私と???」

私と?ってお前おかしんじゃねーの。
今は俺としかいねーだろ?何でこんなに鈍感なんだよ・・。
凹むどころじゃねーよ、泣きたくなってきた。

何で私を誘うんだろう?
このお店って昌行さん目当ての女の人多いんだよね。
の件があってから顔馴染になったのは良いんだけど、
ちょっと話をしてるだけで綺麗なお姉さま方の鋭い視線が・・。

やっぱり綺麗系な人が好きなのかな?
実はみたいな子が良いのかな?どう考えてもって綺麗系なんだよね。
さっきもの事聞いてきたし・・・なんだか胸がモヤモヤする。

「昌行さん、何か怒ってます?」

「いや・・・駄目か?」

「・・・・海に行きたいかな」

「じゃあ、決まり!お昼は作って行くから心配するな。明日迎えに行くからな」

「は・はい」

有無を言わせず明日の約束を取り付ける昌行。
明日気持ちを伝える事が出来るんだろうか?(苦笑)


〜翌朝〜

のマンション前に車を止め外に出る昌行。
車に凭れ掛かり、目を細めながら空を見上げる。
フッと口元を緩め、煙草に火を付けた。

今日は暑くなりそうだな。
お弁当もリサーチしてが好きだって言ってたおかずは全て入れたし・・・。
でもなー、博・・俺と話してると分かった途端、電話取り上げるのは反則だぞ。
も呆れてたし・・・お前心配しすぎなんだよな。
はぁ〜、マジでなくすぞ。

「ちょっと早く着き過ぎたな」

下に降りるのちょっと早かったかな?
でも昌行さんとのドライブだし・・・舞い上がって眠れなかったんだもん。
これってデートだと思ってもいいのかな?

公園脇に車を止めるって言ってたよね・・。
車、車・・・ってあれかな?
でも運転席で寝てるのはどう見たって大学生だし・・金髪だよ。

う〜ん、白い車って言ってたよね・・。見つけた・・かな?
白いシャツにジーンズ姿のお兄さんが車に凭れてるんだけど、もしかして昌行さん?

もしかしなくても昌行さんみたい。
私約束の時間より30分は早く降りたと思ったんだけど・・。
お店のバーテンダー姿しか見た事ないから認識するのに時間かかっちゃった。
でも・・・昌行さん素敵かも・・・このまま見ていたいな・・。

が出てきた事に気が付く昌行。
凭れ掛けていた身体を起こし、の前まで歩いてくる。

「おはよう。もしかしてずっとここで待ってた?」

「いいえ、おはようございます。なんか嬉しくって早起きしちゃったんです♪」

嬉しくって早起きしたって事は・・脈あり?

「じゃあ、出発しようか?」

「はい」

昌行は助手席のドアを開けて を乗せる。
が乗った事を確認してドアを閉め、自分も運転席に乗り込む。

車の中ではお互いの小さな頃の話や、バーテンダーになった理由を語る昌行に
夜の顔しか知らなかった の心に暖かい気持ちが流れてくる。
昌行は が緊張しないように、時折博との話を混ぜ を笑わせたりした。
(実家が商売屋の為、小さな頃は2人で泣いていた事。昌行が虐められた時には
博が体を張って守ってくれた事。2人で学校をサボった事が親にばれてこっぴどく
叱られた事等)

目的地に到着し、車を泊めて浜辺に下りる。
昌行は持って来たビニールシートを引き、パラソルを立てる。
(って言うか用意周到すぎません?(爆))

「少し休んでから散歩にでも行こうか?」

「はい。色々用意をしてもらってごめんなさい・・・」

口元を緩めの頭をクシャと撫でた。

「俺がしなくて良いって言ったんだから気にするな」

「でも・・・」

フッ、心配性のお嬢さんだね。
こう言う時に博がいたら
「この人は好きでしてるんだから気にしなくっていいよ♪」って
黒い尻尾を生やしながら天使の笑顔で言うんだろうな・・。

なんだか女として自信なくしちゃうな。
手際も良いし・・さっきなんてお弁当運ぼうとして躓くし・・。
もう少しで昌行さんが作ってくれたお弁当駄目にするとこだったしさ。
こう言うときならお弁当作ってくるんだろうな〜。

「じゃあ、お願い聞いてくれる?」

「えっ?はい。私に出来ることなら何でも・・・」

何でもするって言ったよな?
俺の聞き間違いじゃないよな?

お願いってなんだろう?
私で出来る事って限られてると思うんだけど・・・。

「じゃあ、シートに座って」

「???はい」

シートに座る
それを確認して自分も座り徐にの足に頭を乗せた。

「ま・昌行さん?」

「フッ。何でもするって言ったよな?」

これって・・膝枕だよねー?
何かとっても恥かしいんですけど・・・。
昌行さんって実は甘えん坊なの?

真赤になって可愛い♪
実はこれに憧れてたんだよね〜。
本当はこのまま押し倒したいところだけど、博じゃねーからなー。
(そんなことした事ないってば!!by 博)

昌行さんの顔って・・綺麗・・・。
睫毛も長いし・・・この唇・・って私ってば何考えてるの?

さっきから何百面相してるんだ?
見てる俺は楽しいけど・・・そろそろ散歩にでも行こうかな♪

、散歩にでも行くか?」

「えっ?あっ、はい!行きます」

起き上がりジーンズに付いた砂を軽く叩き、手を出す。

「ほら、掴まれ」

「あ、ありがとう」

が出した手を掴み立ち上がらせた。
そのままの手を握り歩き始めた。

「ねえ」

「んっ?」

「手を繋いで貰わなくっても1人出歩けるよ」

「いいや、1人で歩くと絶対に砂に埋まるね!あはは」

「ぶぅ〜〜〜」

もぉ〜、手を繋ぐのって恥かしいんだけど・・・。
手に汗かいてきちゃいそう・・・。

耳まで真赤になってるよ。
実は手を繋ぐのって俺も恥かしいんだよな。
でもなぁ〜、躓く癖があるからな〜。

「あっ・・・・キャッ」

「あぶない!」

貝殻を見つけたので拾おうと思った矢先に躓く
慌てて手を引っ張り自分の胸の中に収める。

やっぱり手を繋いでいて良かった。
何でこんなに躓く事が出来るんだ?

あービックリした。
あれ?これってもしかして抱きしめられてるって事かな?
ドキドキして顔が見れないよ〜。

「大丈夫か?やっぱり手を繋いで正解だったろ?」

「・・・・・う〜〜〜意地悪・・」

顔を上げると微笑んでいる昌行がいるが、ジッと見つめられ
慌てて目を逸らしてしまう

「何で今日は誘ってくれたんです?」

「はい?」

「だから何で私を誘ったりしたんですか・・・?」

やっぱりこう言う雰囲気になっても気がつかねーの?
何だか俺泣きそうなんですけど・・・。

「お前って本当に鈍感だな、はぁ〜」

「そうかなぁ〜?」

「気が付かなかった?俺はお前が好きなの!」

驚いて昌行の顔を見る

えっ?これって告白ってされたって事?
好きって事は好きって事だよね・・・。

やっぱりこのお嬢さんにははっきりと言わないと駄目だよな?

「俺はなんとも思ってない女を誘ったりしないぞ」

「・・・・・・・」

「付き合おう・・・いや付き合って下さい」

  ちゃんと返事しないと駄目だよね?
  何だか夢みたい・・あれ?昌行さんの顔が曇ってきたよ。
  どうして・・・ 

、それはうれし泣きと取っていいんだよな?」

  えっ?私泣いてるの?

「だってぇ〜、急に言うんだもん・・・」

  お嬢さん、答えになってないんですけど・・・。

?告白の返事は?」

「・・は・・い・・」

泣いてるの顔中にキスの雨を降らせる。
おでこ・瞼・頬・鼻先・・・最後に唇・・・。

昌行の唇が離れ、見詰め合う2人。
ゆっくりとが目を閉じる。昌行は優しいキスを落とした。
海からの優しい潮風が2人を包む。

ようやく2人の気持ちが重なった時間。

  自分の気持ちを押し付けるつもりはなかったが、このお嬢さん相手では
  はっきり言わないと駄目だったんだよな。
  これからはこの気持ちをゆっくり育てて行こうな?

  自分の気持ちを憧れという言葉で押えていた時間は終わりだね。
  いま胸にある暖かい気持ちを育ててみよう。
  ゆっくりと育てていくんだから大丈夫だよね?



帰りの車の中では不思議に思っていた事を聞いてみる事にした。

「ねえ、昌行?何で私の好きなおかずが分かったの?」

「それは愛の力って奴かな?」

  もう、何でこんな事をサラッと言うかな〜?
  聞いた私が恥かしいんですけど・・・。

  また真赤になってるよ。
  こいつと一緒にいると飽きないよなー。

〜この気持ちを忘れないように歩いていこうな〜


次の日のお店で昌行が浮かれていたとかいないとか・・・
(お店の常連客 井ノ原談)

Fin



あとがきby友希

I am glad to congratulate you on your birthday.
(あなたの誕生日を祝うことが出来て嬉しい)
Best of luck to you on this day and into the future!
(あなたの誕生日が、そして未来が、幸運に恵まれますように)

あとがきby遊慧

人前に出るのが恥ずかしい友希からのメッセージでした。
ありがとう、友希
私は癒されたくなったら、いつもこの話の中に逃げ込んで癒されています




























PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル